迷子の旅  in  NARUTO(9)






火影の執務室へと戻ってきた鹿角(シカマル)と女暗部(変装している)は、についていくことが出来なかったナルトとヒナタに詰め寄られていた。

「「どうだった!!!」」

「...お前ら...」

「ただいま、ナル君、ヒナちゃん。大丈夫でしたよ」

詰め寄ってくる2人を呆れたように見るシカマルの隣で、いつの間にか面をとっていたがにっこりと笑って見下ろす。

いつもより大人びて女性的な顔立ちになっているを見上げながら、ナルトとヒナタはにしがみつく。

いくら扉が閉まっているとは言え、入り口近くで騒いでいる4人を呆れたように見ながら、火影はナルトとヒナタをいさめた。

「ナルト、ヒナタ、そんなところで騒いでおると誰かに気付かれる」

「「大丈夫!結界張ったから!!」」

「......いつの間に...」

少し呆然とした面持ちでいう火影に、ナルトとヒナタはにやりと笑うだけで答えない。

その様子を苦笑しながら見ていたはしがみついている2人を抱き上げると、火影の元へと歩き出した。

抱き上げられて驚いた2人もの顔がすぐ近くにあることに満足したのか、黙ってにしがみつく。

そしてその様子を呆れて眺めながらも少しうらやましく思い、変化を解いたシカマルがの後を付いていく。

火影の座っている椅子の前に準備されていたソファーに2人を下ろすと、後ろをついてきていたシカマルを抱き上げ2人の間に座り、シカマルを自分の膝の上に座らせる。

それに驚いて目を丸くしていたシカマルも、両脇から注がれる嫉妬混じりの視線に気付くとニヤリと意地の悪い笑みを浮かべる。

その笑みを見たナルトとヒナタは、頬を膨らませながらの腕にぴったりとくっつく。

その様子を余すことなく見ていた火影は、何とも言えない表情で4人を眺めていた。

「それで、分かったことなんですが...」

そう言って報告を始めたに、4人は自然に真顔になりの報告に耳を傾ける。

報告の内容を知っているシカマルも、自分が聞いていたことをもう1度確かめるように話を聞いていく。

の報告が終わると火影は眉間にしわを寄せ、ナルトとシカマルも不機嫌な顔になり、ヒナタは自分が狙われると知って、また自分の父親が本当の狙いだと知って何とも言えない顔をしている。

「...私が言うのも何だけど...日向一族のことを考えると素直に父を渡すとは思えないの」

「十中八九、日向ヒザシを身代わりにするだろうな」

「うん...」

「だが、事前に分かったおかげでそれを防ぐことが出来る。早速暗部の者達を...」

「火影さん、そのことなんですが」

火影が暗部に指示をしようとするのを遮るようにが話しかけると、火影と共に子供達の視線も集中する。

「日向一族のことはヒナちゃんに聞きましたし、ここにあった書物にも目を通しましたから、宗家と分家の確執もどういうものなのか輪郭は分かったので...提案が1つ」

穏やかな雰囲気を保ったまま話していたの言葉に首を傾げていた4人は、次の言葉に驚いてポカンと口を開けを凝視した。

「どうせなら誰も死なないで、宗家と分家の確執も取り払って、雲の国と戦争も起きない方法を実行しちゃいませんか?」











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