迷子の旅  in  NARUTO(7)






「めんどくせぇ」

火影とイビキの話を聞いたシカマルがぼそりと呟くと、それに賛同するようにナルトとヒナタもうんうんと頷く。

「いや、めんどくさいと言われてもな...」

「一応ビンゴブックに載ってたんだろ?」

「ああ、実際に拷問した結果、本当に痛覚を遮断させることが出来ることが分かったが、その術を解く方法が...」

「本人が死んだときだっけ?」

「他の感覚も大分鈍くなってるようで、薬も使えんのじゃ」

「つーか、他のヤツが入り込んでるか情報を引き出せないんなら、いっそのこと里全体を探したほうが早いんじゃねーか?」

「そうしたいところなんだが、あまり大げさにすると逃げられる確率のほうが高い」

「でも、里に被害が出る前にさっさといなくなってもらった方が良いんじゃない?」

「だが今回引いたとしても、また確実にやってくるぞ」

面倒そうに話しを聞いている割にそれなりに発言する3人と、真剣な顔で話す2人に前に湯飲みを置くと、は自分の湯飲みに入ったお茶をすすり『ふぅ』とため息をついた。

そのため息を聞いた5人はそれに含まれていたホッとした感じと、それにふさわしい表情をしているを見て微妙な顔になる。

「...、1人だけくつろいでるのはずるいと思うわ」

「だって、私『(しのび)』じゃありませんし」

「そりゃあ、そうだけどよ...」

「200歳近く生きてるなら、痛覚の無いヤツから情報を聞き出す方法の1つや2つ知らねぇのかよ?」

「ナルト、いくらなんでもそれは無いじゃ「知ってますよ」...は?」

「「「「え?」」」」

呆れはようにナルトに話しかけていた火影の言葉を遮ると、5人ともポカンと口を開けてを見る。

その視線を気にすることなくお茶を飲んでいたが『そう言えばお団子がありましたね』と言って立ち上がろうとするのを、子供達が腕や腰にしがみついて止める。

「ん?何ですか?」

「えっと...何ですかって...ネェ?」

「あ?ん、えーとさっき『知ってる』って言ったか?」

「言いましたよ」

「知ってるって、痛覚の無いヤツを吐かせる方法だよな?」

「痛覚が無い相手をというよりも、拷問なんて気の長い方法を取るのが面倒なときに情報を引き出すのに使ってた方法ですけど、痛覚が無い相手にも有効ですよ」

子供達の質問に答えていると、火影の隣に座っていたイビキが勢いよく身を乗り出す。

「よし!だったか?早速だが、その方法を聞くのが惜しいんでな、一緒に...」

「「「ちょっと待った!!」」」

「あ?何だよ?」

「このまま行かせたらの存在がばれるじゃない!」

「ばれるって...わしはを隠しとるつもりは無いんじゃが...」

「じいちゃんは隠して無いつもりでも、ずーっとここに居たんだからそう思われてても仕方ないだろ?」

「それに200年近く生きてて、俺らの知らない知識を持ってるなんてばれたら、よその忍に狙われるじゃねぇか」

「それにうちの暗部とか上忍とか、特上(特別上忍)とか、絶対に興味持つに決まってるわ」

「あ、ああ...それは分かるが、時間が惜しいんだぞ?」

「「「だからばれないようにするんじゃねーか(ない)!!」」」

3人一緒に言った言葉に、が首を傾げていると、ヒナタが部屋の隅にあるタンスから暗部の服を取り出し、ナルトが面を探してくると言って部屋を出て行き、シカマルはカツラもいるかと呟いたのを聞いて、も3人の意図を理解する。

「シー君、カツラはいりませんよ。ヒナちゃん、服は私の体格より少し大きいのはありますか?あと、出来れば髪結い紐も」

「?、カツラはいらないのに髪結い紐はいるのか?結える長さじゃねーだろ?」

「大きいのでいいの?に合う大きさのもあるよ?」

「ええ、大きいので良いですよ。髪結い紐は、ナル君が帰ってきてからにしましょうか?」

にっこりと笑ったに首を傾げる子供たちと同様に、大人たちもの意図が分からずに不思議そうな顔をしていた。








ありがとうございました!

6話  戻る  8話