迷子の旅 in NARUTO(33)
「やっぱりこの蔵が良いですね」
「庭の方も申し分ないのぅ」
「庭にもう一件小さい(建物)の造るか?」
「「いいですね(かもしれんの)」」
「ありがとうございます!お代に関してですが...」
「この蔵とあの辺りまででこれ位でどうじゃ?」
「いや、あの辺りも含めてこれ位だろ」
「いっそのことあっちの池も含めてこれ位の方が」
「「ふむ、なるほど」」
不動産屋の持っている算盤がと左乃兄弟の会話中にパチパチと弾かれて桁を増やしていく。
それを見ている不動産屋の顔は金額のせいか四六時中笑顔である。
「改装費用はこんなもんかのぅ?」
「そんで、新しく建てるのはこれで足りるか?」
「その前に強度確認と地盤調査でこれ位ですね」
「ああ、それもあったか」
「庭はこれで足りるじゃろう?」
「樹木の配置は警備のことも考えて...えーと、風の国ですから砂の里へ相談が必要ですよ」
「それならBランクで足りるじゃろう」
「材料の運搬経路の護衛は木の葉だとランクは何だ?」
「Aランクでお願いしています。契約農家の護衛はSランクですね」
「風だとSランクに色をつけなければいかんかのぅ」
「店の護衛と有毒検査はどうだ?」
「普段はSランクですが、時々下忍のスキルアップのためにCランクも加わることもあります」
「その辺りも風影の小僧と相談した方が良さそうじゃな」
一般的にランクの内容は以下のようになる。
Sランク=国家レベルの機密事項に関わる任務(他国からの要請による戦争参加や要人暗殺、機密文書の運搬等)
報酬は百万両以上(一両=十円で1000万円以上)
Aランク=里や国家レベルの動向に関わる任務(他国からの要請による戦闘参加や要人護衛、忍者部隊討伐等)
報酬は十五〜百万両(150〜1000万円)
Bランク=忍者同士の戦闘が予想される任務(他国からの要請による戦闘参加や身辺護衛、諜報活動、忍者殺害等)
報酬は八〜二十万両(80〜200万円)
Cランク=任務遂行者の負傷が予想される任務(他国からの要請による戦闘参加や身辺護衛、素行調査、猛獣の捕獲、討伐等)
報酬は三〜十万両(30〜100万円)
Dランク=直接戦闘や生命の危機を伴わない、軽度の任務(他国からの要請による戦闘参加やペットの所在調査、芋掘りの手伝い、子守等)
報酬は五千〜五万両(5万〜50万円)
建物や敷地の値段を合わせると、両でも円でも億の桁の計算になる。
その会話を聞いていたカカシとアスマは、辺りを警戒しながらもどこか遠くに視線を飛ばしている。
(俺って結構稼いでると思ったんだけどな)
(間違いなく俺よりは稼いでるだろうが)
(そりゃ、熊よりは稼いでるけどさ)
(誰が熊だ!)
(上には上がいるもんだよね〜)
(...俺の文句は無視か)
「それじゃあお2人とも行きましょうか?」
「「へ?」」
周りに聞こえないように会話していた2人に急に声が掛けられたため、そろってマヌケな声を出してしまった。
「何だ聞いてなかったのか?」
「困りますな。いくら町中とは言え、殿に危険がない訳ではないのだから」
「はぁ...すいません」
「面目ない...」
左乃兄弟の言葉に2人は頭を下げて謝るしかない。
「いえ、考えてみればここに来るまでずっと守ってもらってばかりで、お2人とも休んでおられませんね。守られる側だからと言って、お2人の体調を考えていなかった私にも非はあります」
「そんなことないですって!我々は体調管理も任務の内なんで」
「そうです。ダイジロウさんたちの言うことはもっともですから」
(影分身だけど2人より動いてる)の言葉にカカシとアスマはそろって首を横に振る。
それでも申し訳なさそうな顔を崩さないを見たダイタロウが口を開く。
「大工には明日会いに行くか?も疲れてるだろ」
「ふむ...勢いで次々と進めていましたが、今日風の国に着いたばかりでしたな。殿もゆっくり休まれたほうが良かろう」
「そう、ですね。お言葉に甘えさせていただいてもよろしいですか?」
「構わん構わん。大工には俺らから手紙を出しとく」
「本来なら話を通しておいた方がいいからのぅ。勢いに任せて押しかける所じゃったわ」
3人とも笑っているが、その会話がカカシとアスマを休ませるためだと分かるだけに先ほどの自分たちの行動が恥ずかしかった。
いまさら話の金額に驚いていただけとも言えず、2人は居心地悪気に視線を泳がせた。
ありがとうございました!
任務のランクはNARUTOオフィシャルブック『兵の書』を元にしました。
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