迷子の旅  in  NARUTO(23)





子供たちが大泣きした翌日、出発までの間、出来うる限り一緒にいると約束したに、子供たちは朝からべったりと張り付いていた。

張り付いていたといっても、朝食の準備を手伝ったり、洗濯物を干すのを手伝ったりして、に頭を撫でられてご満悦な様子だったが。

もっとも、時折と10日間一緒にいられなくなることを思い出して、拗ねたような顔になるときもあった。

そのたびにが苦笑しながら抱き上げてくれるので、子供たちの機嫌もだいぶ回復している。

そして昼食を早めに取ると、は変化した子供たちとともに店へ出かける準備をする。

ヒザシとほぼ同年代の男性の姿になると、はあまり身に付けない白っぽい服に身を包む。

ヒザシも同じような服で、胸元には店の名前『いれぶん』が黒い糸で刺繍してある。

子供たちは、名目上は護衛のためということなので、相変わらず忍びの格好だった。

!」

たちが店へと向かって歩いていると、後ろから呼び止められた。

振り返ると、アンコが走りよってきた。

その後ろで、知らない女性がアンコとにいぶかしげな視線を向けている。

額宛をしているため『くの一』であることは分かるのだが、あいにくが知っている忍びはごく少数だけである。

「ちょうどよかったわ。これから店に行くところだったのよ!」

「これからですか?新作の試食は確か3時からですよね?」

「知ってるわよ。でも新作の前に、あんたの店の全種類を制覇しないとね!」

「アンコ。いきなり先に行かないでよ」

「ん?ああ、ごめんごめん。前にたちがいたからね」

たち?」

女性が視線をとヒザシに移し、その周りに暗部たちに驚いたような顔をする。

、この人は夕日紅、(イレブン限定だけど)あたしの甘味仲間よ。紅、こっちがで、こっちがヒザシ。これから行く『いれぶん』のオーナーよ」

「えっ!オーナーって...まだ若いじゃない」

「ふふっ、これでも見かけよりは年をとっているんですよ」

「あ、別に若いのが悪いって言うわけじゃなくて...」

「ええ、分かっています。さんも私も、お客様にたびたび言われておりますので」

恐縮したように話す紅に、とヒザシはやわらかい笑顔で対応すると、紅の頬がわずかに赤く染まる。

「アンコ、いつまでここで話しているつもりだ?」

そこに少し不機嫌そうな黄狐の声がアンコにかかり、が苦笑を向ける。

「ああ、すいません。つい話し込んでしまいましたね。店に向かいましょうか」

「そうですね。では、アンコさんまた後ほど」

軽く頭を下げて去っていく2人と、わずかに不機嫌な雰囲気の暗部たちを見送ると、紅は深くため息をついた。

「...暗部を3人も付けてるなんて...さすがあの『いれぶん』のオーナー達ね」

「そうね。(今回はあの子達のご機嫌取りのためでしょうけど)さ、早く行きましょう。あそこのメニューを食べつくさなくちゃ!」

アンコに促されて、紅は達の後を追うように店へと向かって歩き出した。













ありがとうございました!

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