迷子の旅  in  NARUTO(19)






火影邸の広い庭には、子供たちによって厳重な結界が張られていた。

結界を張っていることと、に攻撃するのが嫌だという理由で除外された子供たちと、恩人に攻撃は出来ないと言ったヒザシの代わりに、大人たちが戦うことになった。

そこでは1番始めに戦っていたイビキが、呆然と空を見上げていた。

「まずは、私の勝ちですね」

その言葉を聞いて、イビキはやっと自分が防ぐ間も無く背負い投げられたのだと理解した。

投げられたイビキもだが、それを見ていたものたちもぽかんと口を開けている。

確かに見た目で相手を判断していた部分もあるし、相手がだから本気になどなれるわけはないのだが、その場にいた者たちにもがいつイビキの懐に入り込んだのか分からなかったのだ。

呆然とを見ている人たちに眼を移すと、は2番手のハヤテに声をかけた。

「ハヤテは剣術が得意なんですよね?」

「...ごほっ...そうですね」

「では、私も刀をつかいましょうか」

そう言ってどこからともなく出された刀に驚きながらも、イビキと入れ替わるようにハヤテはの前に立つ。

そして、イビキのときと同様に火影が声をかけると、お互いに刀を抜いて切りかかる。

しばらく剣を交わした後、誰もがハヤテの刀がを捕らえたと思った瞬間、そこからの姿が消えていた。

「!!」

ハヤテが剣を構えなおそうとしたときにはもう、後ろに回りこんでいたが鞘をハヤテの首筋にぽんと当てていた。

当てられた鞘を呆然とした表情で見るハヤテと、それを見ていた周りの人たちの表情はまったく同じだった。

が刀を消すと同時に我に返ったハヤテが、深いため息と共に感嘆の声を上げた。

「ごほっ...すごいんですね」

「ハヤテもすごかったですよ。私が知っているなかでも5位以内に入ります」

「ありがとうございます」

も心からの賞賛を返すと、ハヤテは苦笑しながら刀を鞘に戻した。

そして、火影たちの方に向き直ると、咳をしながら戻っていった。

戻ってきたハヤテに、アンコが呆然としながら呟く。

「あんたまで負けるなんて...」

「ごほっ...あの人は、本当に強いんですね」

「見てれば分かるわよ」

いつもの強気な態度に戻ったアンコが、苛立たしそうな声を上げる。

「はっきり言って、あたしが相手をするまでもなく、が強いのなんか分かるわよ」

「それは俺等にも分かるけどさぁ」

「そうなると、が働くことが決定して」

「一緒に住めなくなっちゃう」

泣くのではないかと思うほど沈んだ声で話す子供たちに、がきょとんとしながら話しかけた。







それなら、あなたたちも一緒に住めばいいじゃないですか

















ありがとうございました!

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