迷子の旅  in  NARUTO(12)






3人の暗部の困惑をよそに、火影は翌日に起こる『日向ヒナタ誘拐計画』に関する作戦を淡々と話していく。

その内容に最初はと子供達の様子に困惑していた3人も、次第に表情を驚愕に染めていく。

火影が話し終わると、話の内容を頭の中で確認しながらハヤテが火影に話しかけた。

「ゴホッ、しかし火影様、その作戦が必ずしも成功するとは限らないのでは...?」

「そうね。日向ヒアシにも、日向ヒザシにも了承をもらっている訳ではないのでしょう?」

「うむ...上手く行かぬ可能性も、両人が拒否する可能性もあるが、これが上手く行けば木の葉で誰も死なずに戦争を回避できる」

「しかし...」

「大丈夫ですよ」

さらに火影に言葉を紡ごうとしたハヤテを穏やかな声で遮ったに、その場にいた者たちの視線が集中する。

皆の視線が集まる中で、は声以上に穏やかな表情でゆっくりと湯飲みを傾けている。

その様子を見たアンコがすぐさま不愉快そうな顔をしてに突っかかる。

「ちょっと、木の葉の忍びじゃないあんたが口を挟むことじゃないでしょ!?大体何を根拠に大丈夫だなん...て...」

「「「............」」」

「...えーと......」

「ナル君、シー君、ヒナちゃん、殺気を向けちゃ駄目ですよ」

「「「だってぇ」」」

「駄目ですよ。みたらしさんは貴方達を心配しているから言っているだけで、悪意があって言った訳ではないんですから」

「「「むー...分かった(今度言ったら半殺しにするけど)」」」

不承不承ながら頷いた裏でには聞こえないよう忍術を使って話しかける子供達に、アンコだけではなくイビキとハヤテ、火影も顔をひきつらせる。

もちろんそれが聞こえてないは聞き分けの良い子供達の頭を撫でながら、固まっているアンコに話しかける。

「貴女のおっしゃったように私は木の葉の忍びではありませんが、一応この作戦の発案者で道具および技術提供者ですから、そちらの方面からきちんと作戦が上手く行くことを保障しますよ」

「「「.........はぁ!!?」」」

「この作戦を考えたのも、道具を準備したのも、必要な処置を行うのもすべてじゃよ」

「俺らも最初聞いたときは驚いたけどな」

「まあ、実際にあれとかあれとか見せられるとなぁ」

「そうよね...あ、アレを見たら大丈夫だって納得するわよ」

そう言ってヒナタが部屋の隅に置いてあった大きな箱を指差すと、以外の全員の視線が箱に集中する。

「そういや、アレがあったな」

「ああ、アレなら問題ないだろ。つーことで、お前らさっさとアレ見て来い」

「うむ...確かに見ておいたほうが良いじゃろうな」

ナルト達の意見に賛成するように火影が3人を促すと、多少いぶかしげな顔をしながら箱に歩み寄りゆっくりと箱を開けた。

「「「なっ!!!?」」」

「良く出来てるだろ?」

「でもそれで完成ではありませんよ...後は中身と細かいところを実際に見て微調整しますから」

「今でも充分にそっくりだと思うわ」

「そうそう、中だって作ってるの見てたけど全然分かんなかったぜ」

「まあ、今のままでも問題は無かろうが先のことを考えると手を入れてもらったほうが良いじゃろう...それで、3人とも実際に見た感想はどうじゃ?」

「......ゴホッ、確かにこれなら...」

「ああ、俺が見ても本物と間違うな」

「本当よね。ねぇ、これどうやって作ったわけ?」

「それは『ぽすっ』むぐ......」

アンコの質問にが答えようとしたとき、ヒナタがの膝の上に飛び乗り両手で口をふさいだ。

突然のことに目を瞬かせているをよそに、子供達はアンコに向かってニヤリと笑った。

「「「な・い・しょv」」」

「.........(?、教えても問題ないんですが)」

「はぁ!?何でよ!!?」

「だってねぇ?」

が方法教えたら、アンコ...以外にも絶対実際に作って見せろって言うだろ」

「ただでさえ作戦のために昨日から一緒にいる時間が減ったのに...「「は俺(私)達のなんだから、これ以上一緒にいる時間を減らすようなことは却下!!」」」

キッパリと言い切った子供達に、以外の大人たちが何とも言えない顔をした。











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