迷子の旅 in NARUTO(11)
雲の国による『日向ヒナタ誘拐計画』が予定されている前日の昼間、火影の執務室では火影に呼ばれてやって来た暗部(森乃イビキ、みたらしアンコ、月光ハヤテ)の3人が、ドアを開けたままの体勢でビシッと固まっていた。
本来なら下忍、中忍、上忍にかかわらず任務を言い渡される者が誰かしらいる執務室の中は、人払いがされ火影と子供達、しかいなかった。
その子供達の前には色鮮やかでバランスの取れた料理がずらりと並び、その向かい側にと火影が座っている。
それだけなら特に驚くこともなかっただろうが、3人が扉を開けたのはの箸で摘まれたカラアゲがシカマルの口の中に放り込まれた瞬間だった。
ありえない光景に3人が固まっているのを見て、火影は諦めと同情の混ざったまなざしを送る。
周りがそんな状態であることを知りながら、子供たちは入ってきた3人の存在を無視しての注意を自分達に向けさせている。
「、、今度は俺だ」
「えーと、ナル君...」
「次は私なの」
「待ってんのめんどくせーから、早く食わせろって」
「ヒナちゃん、シー君...お客(?)様が...」
「「「はーやーくぅ」」」
「え?あ、はい、あーん」
「あー...んぐもぐもぐ」
「はい、ヒナちゃん」
「あーんv」
「はい、シー君も」
「あー...んぐんぐんぐ...」
「ナル君、あーん」
「あー...」
「...おい、ナルトたちに流されてるぞ」
いつの間にか子供達に流されて3人の存在を忘れて昼食を子供達の口へ運ぶを見て、3人の中で1番早く立ち直ったのは前日に今の姿のと会ったイビキであった。
イビキの声で3人の存在を思い出したがピタッと動きを止めると、子供達は余計なことをとでも言うように殺気のこもった目でイビキを睨みつける。
殺気を浴びたことで我に返ったアンコとハヤテは、それでも目の前に広がる光景にまばたきをしたり、目をこすったりして何とも言えない顔をする。
そして殺気立っている子供達をがやんわりと諭すと、不承不承ながら殺気をおさめるのを見て3人はをまじまじと見つめる。
そして火影に促され用意されていた椅子に座ると、席を立っていたが3人の前に緑茶の入った湯飲みを置く。
その間子供達は少し不貞腐れながら自分の箸で料理を摘んでいた。
本来ならすぐ任務の話になるのだが、3人のもの言いたげな視線を受けて、火影はため息と共にの紹介と先程の状況の理由を話し始めた。
「3人とも昨日会ったと思うが...だ。姿が違うのは変化の術のようなものだ...詳しくは本人かイビキに聞いてくれ「ッ!!火影様!!」見ての通りナルトたちが非常に懐いておる」
「「はぁ...」」
イビキの叫び声を無視して話す火影に、アンコとハヤテは曖昧に頷くしかなかった。
ありがとうございました!
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