迷子の旅 in ハリーポッター(9)
レイブンクローの名物双子に気に入られたは、尊敬の目でレイブンクロー生に見られていた。
(正確には、の両脇にべったりと張り付いている双子にうっとうしそうな顔をせず、周りの生徒達に接するのと同じように、微笑みながら会話をしていることに対してだったが...)
「ねぇ、は日本の学校でどんなことを習ってたの?」
「どんなことって、魔法に関してですか?」
「『魔法に関して』ってことは、他にも何かやってたんだ?」
「ええ。こちらではあまりやっていないみたいですけど、体術なんかも習いますよ。体術は、体も心も鍛えるものですから」
「へぇー、他には?」
「こちらのように、全員が同じ授業を受けるという形ではありませんでしたね」
「えっ!じゃあ、どうやって授業を受けてたの?」
「授業と言うものは基本的に無いんです。せいぜい体術の際に集まる程度で...それぞれにあった系統ごとに、先生と1対1で実践的に学んでいくような形ですね」
「「「へぇー」」」
「系統ってどんなだ?」
「そうですね...こちらのような魔法を扱う方々もいれば、錬金術を学んでらっしゃる方もいます。そのほかにも、体術を組み合わせたやり方、気...こちらで言う魔力を使って治療をしたり、魔力を自分に合った能力に変換させたりといろいろですね」
「じゃあ、結構規模の大きい学校なんだ?」
「いえいえ、学校自体は大きく無いんですよ。さっき言ったように授業と言うものがありませんから、先生の家に下宿して、そこで学んでらっしゃる方がほとんどなんです。先生と生徒と言うよりは、師匠と弟子と言った関係に近いですね」
「「はどんなのを学んでるの?」」
「私の師匠がいろいろな方々と交流がある方なので、今言ったようなことを満遍なくやらされましたね」
「それってかなり大変なんじゃねぇか?」
「そうですね。でもそのおかげで、ここに留学に来れたようなものですし」
「へぇー、そうなんだぁ」
は夏休み中にダンブルドアたちと打ち合わせていた内容を、スラスラと話していく。
話の内容に事実が含まれているだけに、誰もの話を疑うものはいない。
「それって、から教えてもらうことってできる?」
「あ、俺も興味がある!」
目を輝かせて聞いてくるウィニアとジェイクに、はすまなそうな顔を向けた。
「すいません。教える資格を持っていないと、教えてはいけないことになっているんです。中途半端にしか知識を持っていない人が教えると、いざと言うとき対処できませんから」
「あっ!そっか!」
「まあ、ホグワーツだってそれは一緒だからね」
「しょうがねぇよな」
の言葉に素直に納得する生徒達に、はやわらかい笑みを向ける。
「じゃあさ、見せてもらうだけなら平気?」
「ええ、それなら大丈夫ですよ」
「ホントッ!」
「ウィニア、さすがにここでは無理だよ」
「うー、だってさぁ...」
の方に身を乗り出して言うウィニアに、ヨハンが呆れながら言う。
はウィニアの子どもらしい反応に笑みを浮かべると、すっと右手をウィニアの前に差し出して1羽の青い蝶を具現化させた。
「ぅわぁ!!」
「場所が場所なので、この程度ですけど」
「ううん!充分よ!!」
「へぇー、キレイだな」
「これって飛ばせるの?」
「大丈夫ですよ」
がそう言うと蝶がひらひらとたちの周りを飛び始める。
マリアやウィニア、ヨハンが手を差し出すと、蝶はしばし手のひらに止まって羽を休め、また飛び始める。
「ご満足いただけましたか?」
「「「うん、ありがとう」」」
ありがとうございました!
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