迷子の旅 in ハリーポッター(8)
歓迎会が始まった途端、の周りにいた子ども達がいろいろな質問をぶつけてくる。
「日本魔法ってどういうの?」
「どうやってホグワーツに留学できたの?」
「日本てどんなとこ?」
「日本人って『セップク』するんでしょう?」
答える間も与えずにどんどん質問をしてくる生徒達に、は苦笑を漏らす。
「ちょっと!いい加減にしなさいよ!!」
「そうだよ。そんなに聞かれたって答えられ無いだろ?」
「それに質問ばっかりで、自分達の名前も教えて無いじゃない!」
「「「「「「「あ、ごめん!」」」」」」」
「いえいえ、大丈夫ですよ」
の両脇に座っていた子たちに言われて、自分達の失敗に気づいた生徒達が声を揃えて謝るのを、は素直だなぁと思い笑みを浮かべる。
に質問してくる生徒達に注意した2人が、自己紹介してきた。
「あたしはマリア・アーネストよ。マリアって呼んで」
「僕はヨハン・アーネスト、マリアとは双子の兄妹だよ。僕もヨハンで良いから」
「・です。私もでかまいません。ところで、2人とも変わったお名前ですね」
「そう?の方がこっちではめずらしいわよ」
「僕たちの名前はこっちでは一般的だよ」
「え?でも、マリアは女性名で、ヨハンは男性名じゃないんですか?」
「「「「「「「え!?」」」」」」」
の言葉に周りにいたレイブンクロー生と双子が驚いた顔をする。
「...『え!?』って、何がですか?」
「すっごーい!何で分かったの?...あっ、あたしはウィニア・フランネルよ」
「俺はジェイク・ホーセット、こいつらの性別をどうやって当てたんだ?」
「どうやってと言われても...見たら分かるじゃないですか」
「「「「「「「無理!」」」」」」」
の言葉に近くにいたレイブンクロー生たちがいっせいに否定する。
「分かんないわよ!この2人名前に合わせて1人称が『僕』と『あたし』だし!」
「見た目や服装もこうだし!」
「新入生は必ず間違うよなっ!」
「2人のファンて絶対同性の方が多いし!!」
次々に出てくる2人に対するレイブンクロー生たちの言葉に、は首を傾げた。
「そうですか?マリアは確かにかわいらしいですけど、男の子らしくキリッとした目をしてますし。ヨハンも見た目はカッコイイと思いますけど、この柔らかな雰囲気は女の子だなぁって感じなんですけど」
がそう言った途端、の手がガシッと掴まれる。
は右手をつまんだマリアと左手を掴んだヨハンを交互に見る。
「マリア?ヨハン?」
「「!これからよろしく!!」」
「?、よろしくお願いします」
『留学生が対面から10分で、レイブンクローの性別逆転兄妹に気に入られるという偉業を達成した!』と言う噂がその場であっという間に広がった。
ありがとうございました!
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