迷子の旅 in ハリーポッター(6)
生徒全員が下りて静まり返ったホグワーツ特急の中で、はマクゴナガルに言われていたようにコンパートメントで迎えが来るのを待っていた。
がここで待っているように言われたことを伝えると、リリーは非常に残念そうな顔をしながらコンパートメントを出て行った。
ただし、また後でというリリーの言葉には笑顔で頷いたが、その後に聞こえてきたリリーの怒鳴り声と人を殴ったときの音は聞かなかったことにした。
生徒達の声が聞こえなくなって30分ほど経ったとき、コンパートメントの窓がノックされた。
が読んでいた本から目を上げると、窓の外から大男が覗き込んでいた。
は男ににっこりと笑いかけ、本を椅子に置くと、特急から降りて男の元へと向かった。
「こんにちわ、ハグリッド。あなたが迎えに来て下さったんですね」
「ああ、玄関までだがな。玄関からはピンズ先生が連れてってくれる」
「魔法史の先生ですか。全員が集まっている広間にいなくても大丈夫な先生にお願いしたんですね」
「まあ、そういうことだ。あの先生は、大広間に行くこともねぇからな」
2人がホグワーツ特急から離れると、ハグリッドは握り締めていた手を開いて、これに触っているように言った。
「壊れた眼鏡...ポートキーですか」
「ああ、本当ならこれも使っちゃなんねぇんだが、今回だけダンブルドアが許可なすったんだ。もうすぐ時間だぞ」
がポートキーに触ってしばらくすると、突然体を引っ張られるような感覚に襲われた。
「着いたぞ」
ハグリッドの言葉にが顔をあげると、玄関の扉がすぐそこにあった。
「俺はここまでと言うことになっちょる。奥にピンズ先生が待ってるはずだ」
「ありがとうございました、ハグリッド」
「こんぐらい何でもねぇさ。またな、」
「はい」
は森のそばの小屋へと戻って行くハグリッドを見送ると、扉を押して中へと入っていった。
が中に入ると、玄関のホールの中央に1人の老人の幽霊が立っていた。
はその幽霊に近づくと、笑顔を浮かべて話しかけた。
「お待たせしました、ピンズ先生。・です」
「ああ...こちらへ」
感情のこもらない声でそれだけ言うと、ピンズ先生はゆっくりと動き出した。
はその後を黙って着いていく。
2人の通る廊下にかかっている絵画たちは、が2ヶ月近くホグワーツで過ごしていたときに顔見知りになっていたので、すれ違うたびにお祝いの言葉を掛けていく。
はそれに笑顔で答えながら、ピンズ先生に遅れることなく着いていく。
歩き始めてしばらくすると、2人は大広間の扉の前に着いた。
ピンズ先生はにここで待っているように言うと、壁を通り抜けて去っていった。
が扉の前でしばらく待っていると、大広間の扉がゆっくりと開いていく。
扉が開ききるまでの間、はホグワーツの全生徒に注目されていたため、心の中で好奇心旺盛な生徒達に苦笑していた。
大広間の扉が開ききると、教員席の真ん中に座っていたダンブルドアがスッと立ち上がった。
「では、みなに新しい仲間を紹介しよう」
ありがとうございました!
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