迷子の旅 in  ハリーポッター(2)





夏休み中の誰もいない図書館では黙々と本を読んでいた。


がこの世界に着てから半月、ホグワーツの蔵書の5分の1は既にによって読破されていた。


ホグワーツの本を管理している司書もの読書量に驚きながらも、丁寧に本を扱う様子や食事を忘れてさえ本を読みふける様子を見て、お勧めの本を教えてくれたり、食事の時間を知らせてくれたりとなかなか良好な関係を築いていた。


特に司書が食事の時間を知らせたときにが残念そうに本を眺める様子から、かなりの本好きと思われているらしい。


ダンブルドアとの相談の結果、表向きとしては他の国からの留学生として早くこちらの魔法に慣れるために、ホグワーツへの滞在が許可されたことになっている。


が異世界から来たことは、校長のダンブルドアと副校長のミネルバ・マクゴナガルの2人だけであった。


マクゴナガルがの存在を知ったときは、本当かどうか困惑したようであったががこの世界に無い『念』(ばらしても問題なさそうな『小さな蜜蜂《シークレット アイズ》』 )を見せると、驚きながらも納得した。


ホグワーツに滞在するようになってからは、毎日図書館へと通うを好意的な目で捉えていた。


最もは図書館に通うだけでなく、密かに『念』を使ってホグワーツの中の構造やこの世界の情勢の調査も行っていた。


ただ、寝食を忘れて本を読み続けるを心配して、気分転換にとマクゴナガルに何度かお茶に誘われたことがあった程度で、半月の間はホグワーツから1歩も外に出ることはなかった。


そんなある日、朝食の際に一通の手紙をマクゴナガルから差し出されたことで、その日の図書館通いは中止になった。


「留学許可書...ですか」


「そうです。新学期まであと1ヶ月ほどですから、本だけでなく杖を使った実習もやっていった方が良いでしょう。あなたが編入する5年生はOWLがありますからね」


「分かりました。杖ということは、やはり買い物に行くんですよね?」


「ええ、それがどうかしましたか?」


「...宝石の買取をしているところに心当たりがあったら、教えていただきたいのですが」


「心配しなくてもアルバスがお金を出してくれます」


「それでは私が納得いきません。ここでの生活費も出していただいたのに。それにこう見えても自分で仕事をしていたので、誰かに養われると言うのは...」


「あなたのような子どもが仕事をですか?」


「見た目はこうですけど、年齢的には100を越えてますよ」


「...分かりました。では、帰ってきてからアルバスと直接相談してください。今回はアルバスのお金を使わせてもらいましょう。私も時間が空いているのは今日の3時頃までですから」


「はい、我侭を言ってすいません」


「あなたの言ったことは我侭ではないでしょう。それでは1時間後校長室にいらっしゃい」


「はい」


準備を済ませたはマクゴナガルに付き添われて、校長室の暖炉からダイアゴン横丁へと向かった。










ありがとうございました!

1話   戻る   3話