迷子の旅 in ハリーポッター(15)
お茶会の参加者全員が集まり軽く自己紹介をしたあと、全員の前に煎茶と数種類の和菓子が現れた。
「わあぁ!!キレー!!」
生徒達は目の前に現れたお菓子を、好奇心に満ちた目でまじまじと見つめた。
「これが日本のお菓子なの?」
「ええ、そのもみじの形をしたのが『練り切り』、白いのと茶色い丸いのが『饅頭』、この丸いのが『桃山』、あとは『団子』ですね」
「後って...このウサギの形してるのも?」
「ええ、それもお団子ですよ。中に『餡子』と言う小豆を使った甘いペーストが入ってます」
「お茶、緑色なんだ...」
「ええ、こちらでは『紅茶』が主流のようですけど、日本や中国なんかでは『緑茶』が主流です」
「何でだ?」
「元々紅茶も緑茶も同じ葉から出来ているんです。違いは発酵させているか、させていないかと言うだけで...昔は生の茶葉を運ぶよりは、発酵させたものを運んだ方が痛みが少なくてすみましたから」
「ふーん、そんなもんか」
「薬草を保存してるビンみたいに、劣化しないように魔法のかかっているのを使えばよかったんじゃないの?」
「確かに魔法使いにはその方法が使えますけど、他の国へ行って大量に茶葉を仕入れるのは、マグルの商人の方たちですからね」
「あ、そっか」
は生徒達から次々と出される質問に、笑顔で答えていく。
お茶会が始まって30分ほどすると、緊張していたハッフルパフやグリフィンドールの生徒達もどんどんに質問しだす。
日本の学校について質問されると、先に話しを聞いていたレイブンクロー生が答えたり、がイギリスではどうなのか聞くとそれぞれがいろいろな例を話したりと、時間はあっという間に過ぎていった。
「そう言えばあたし、に日本語を習う気でここに来たんだけど、日本のことについての質問ばかりになっちゃったわね」
「あ...そう言えば...」
「まあ、リリーの言うとおり言葉を学ぶと言うことも大切ですけど...まったく知らない国の言葉を詰め込んでいくよりは、文化とかに興味を持った国の言葉を自分で学んでいこうとする方が覚えていくものですよ」
「...そうなの?」
「ええ...例えば、まったく知らない国のまったく知らない言葉をいきなり覚えてくださいと言われるよりも、日本と言う国の興味のあることに関係する言葉を知りたいと思うのとでは、学習意欲が違うでしょう?」
「ああ、なるほど」
「ですから、もう1・2回位はこんな風にお茶会を開きたいと思うので、時間があったらいらしてください」
にっこりと笑顔で言ったの言葉に、全員が心の中で絶対に参加すると誓っていたのは、以外の参加者には周知のことでした。
ありがとうございました!
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