迷子の旅 in  ハリーポッター(14)





その日の放課後、他の生徒達より湖のほとりに早く来たレイブンクローの4人は、いつもとまったく異なる風景にポカンと口を開けて固まっていた。

「皆さん、どうかなさったんですか?」

「どうしたって、お前.........は?」

少し遅れてきたが固まっていた生徒達に声をかけると、振り返りながら言おうとしたジェイクの言葉が途中で途切れる。

「きゃーvv、その服どーしたのーっ!!」

「ウィニア、叫びすぎだろ...」

「「...最っ高に似合ってる!!」」

「ありがとうございます」

「...お前らなァ...」

渋い緑色の和服を身にまとい普段以上に落ち着いた雰囲気のを、マリアとヨハンがうっとりと見つめ、ジェイクが諦めたように肩を落とす。

「せっかく野点形式にしたので、和服の方が良いかなと思ったんですけど...」

「野点って...これか?」

「ええ、野外でのお茶会のことなんですけど...やっぱり紅葉には少し早かったですか?」

「いや、その前にどうやったんだよこれ...昨日までなかったぞ、こんな木...」

ジェイクの目には、真っ赤なもみじが湖や朱色の敷物にひらりひらりと落ちていく様が映し出されていた。

「あはは、さすがに本物じゃありませんよ。映像として映し出されてるだけです。触ったら通り抜けますよ」

「へぇー、そうなんだ。ねぇねぇ、それって和服って言うのよね?普通はもっと派手なんじゃないの?」

「そうですね...女性の着る物は鮮やかなものが多いですけど、これは男物ですから。今は和服を着る機会がめっきり減りましたけど」

「ふーん...なら女の人の着物とか、こっちのドレスも似合うと思うなァ」

「ウィニア、それは男に言う言葉じゃねーだろ?」

「でもマリアに言うと喜んでくれるよー」

「............」

「気にしちゃだめだよ、ジェイク。マリアは例外なんだから」

「ヨハン...あんたはあたしのこと言えないでしょ!?」

ヨハンとマリアのやり取りに、は苦笑しながらも口を挟んだ。

「お2人とも、話はそれくらいにして座りませんか?他の人達が来るまでもう少しかかるでしょうし」

「何人くらい集まるの?」

「そうですね...レイブンクローは貴女方を含めて9人、ハッフルパフが5人、グリフィンドールが4人の18人ですね」

「あれ?スリザリンは?」

「最近セブルスとよく話しをするのに、誘わなかったの?」

「お誘いしたんですけど...グリフィンドールの方も一緒だと知ったら...」

「ああ、あいつ典型的なスリザリンだもんな」

「ええ...そこまで仲が悪いとは思わなかったんですけど」

「まあ、レイブンクローにいるとそういうのは分かりにくいかもね」

困ったような顔をしているに、ヨハンがフォローを入れる。

「あれ?でも、セブルスの分もお菓子作るって言ってなかった?」

「ちゃんと作りましたよ。フクロウ便で送りましたけど」

「じゃあ、良いんじゃない?セブルスなら図書館でもあえるんだし」

「そうですね」

マリアの言葉ににっこりと笑ったに、4人はほっとしながら敷物に座った。

その後来た他の生徒達が、もみじの舞う光景とを見て固まっていたのは言わずもがな。










ありがとうございました!

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