迷子の旅 in  ハリーポッター(13)





リリーに手紙が届いた翌日、は朝早く(と言ってもまだ4時)から厨房で屋敷下僕妖精たちと共にお菓子作りに励んでいた。


屋敷下僕妖精たちは朝食の準備をする傍ら、の頼んだ手伝いを嬉しそうにこなしていく。


がお菓子を作り始めて2時間ほど経つと、お菓子作りも終盤に差し掛かった。


「こちらのほうは蒸しあがりましたっ!」


「お坊ちゃま!こちらはこれでよろしいでしょうか?」


「そうですね、充分ですよ。ありがとうございます」


「そんなっ!お礼だなんてっ!!」


「いえ、私の気持ちですから...受け取っていただいた方が私も嬉しいんですよ?」


「...分かりましたっ!ありがとうございますっ!!」


「いえいえ、こちらこそ」


は顔を赤くし耳をパタパタと動かしている屋敷下僕妖精たちに、笑顔を浮かべながら話す。


「朝早くから手伝って下さって、ありがとうございました。放課後までよろしくお願いしますね」


「「「「「「もちろんでございますっ!!!」」」」」」


声を揃えて言ってくる妖精たちに、はくすくすと笑い声を立てながら厨房をあとにした。


は厨房で今日のお茶会用とは別に包んでもらった2包みのお菓子を手に、フクロウ小屋へと向かって歩いていった。


がフクロウ小屋に入ると、フクロウたちは嬉しそうな鳴き声をあげに擦り寄ってくる。


はお菓子を落とさないようにしながら、フクロウたちを1羽1羽撫でて行く。


全てのフクロウを撫で終わると、一番近くにいたフクロウにお菓子を1包みと手紙をお願いすると、周りのフクロウたちが不満の声を上げる。


はそれに苦笑すると、次はあなた達にもお願いしますからと言ってフクロウたちの機嫌をとった。


フクロウたちの不満げな鳴き声を聞きながら、は今度は校長室へと向かった。


ガーゴイル像に合言葉を言い、階段を上ったあと校長室のドアをノックすると、中からダンブルドアの楽しそうな声が返事を返した。


「おはようございます、校長先生」


「おはよう、。待っておったよ」


にっこりと笑顔で挨拶を交わすと、は持ってきた包みをダンブルドアに手渡した。


「待っていたのは、お菓子のほうじゃないんですか?」


「ほっほっほ、お菓子も楽しみじゃが、とのおしゃべりの時間も待ち遠しい物じゃよ」


「ふふっ、ありがとうございます」


それから2人は朝食までの短い時間、和やなお茶会を楽しんでいた。










ありがとうございました!

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