迷子の旅 in  ハリーポッター(12)





朝食の時間、大広間のグリフィンドールの席でリリーはいつものように仲のよい友人達と朝食を摂っていた。


そしていつものようにフクロウが運んでくる手紙のなかに、見慣れない形の封筒が混ざっていることにリリーは首を傾げ、それを見た友人達も不思議そうにリリーに届いた手紙を見つめた。


「...羽ペンで書いた字じゃないわよね?」


「珍しい紙ね...羊皮紙とはぜんぜん違う色だし、この葉っぱの模様本物みたい」


「誰から届いたの?」


「ちょっと待ってね......あっ!」


手紙をひっくり返して差出人をたしかめたリリーは驚きの声をあげると、丁寧に中の手紙を取り出した。


リリーの友人達はそんなリリーの反応に顔を見合わせながらも、リリーが手紙を読み終わるのをじっと待っていた。


「ねえ!明日の放課後みんな暇かしら?」


「ええ、特に予定は無いけれど...」


「誰からだったのその手紙?」


「そんなに顔を赤くするなんて...ラブレターとか?」


「違うわ...でも、ラブレターなんかよりずっと良いものよ!」


そう言ってリリーが手紙をテーブルの上に広げて見せると、3人はやや身を乗り出すようにしてそれを読んだ。





拝啓 リリー・エバンズ様



お久しぶりです、リリー。


ホグワーツ特急でお会いして以来お話しする機会がなかったため、お手紙にて失礼させていただいております。


ダイアゴン横丁での貴女のように、日本語を学びたいとおっしゃってくださった方たちが沢山いらっしゃいました。


そのため一人一人に個別でお教えするよりも、皆さんとご一緒に楽しみながら学んだ方が良いと思い、明日の放課後にお茶会を開くことにしました。


お茶とお菓子は日本のものを用意させていただきます。


よろしければお友達と一緒にいらしてください。


湖のほとりに席を設けていますので、すぐに分かると思います。



敬具








手紙を読み終わると、少女達はきらきらと目を輝かせてリリーを見た。


「ねえ、これってあの留学生からの招待状ってことっ!!」


「いつ知り合ったの?」


「ダイアゴン横丁でよ。がマクゴナガル先生に付き添われて買い物してたの」


「日本語を習いたいってそのときに?」


「そうよ。今年はOWLがあるから、時間が空いたときだったらって」


「ねぇ、返事を送った方が良いんじゃない?」


「そうね...あの留学生に会うためにたくさん人が集まりそうだし、こっちから何人行くか知らせておいた方が良いんじゃない?」


「ええ、後で送っておくわ」


「明日かぁ...楽しみーv」










ありがとうございました!

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