迷子の旅 in ハリーポッター(11)
ホグワーツでの授業が始まってから一週間ほど経ったある日、はめずらしく1人で図書館を訪れていた。
は借りていた本を返すと、まだ読んでいない本を探すために本棚の奥の方へと進んでいった。
探し始めて10分ほど経ったころ、借りる本を抱えながら今度は今読む本を探そうとしたとき、は他の席から離れたところで勉強している一人の生徒に気づいた。
は落とさないように本を抱えなおすと、その生徒の座る席へと近づき机の端を軽くノックした。
それに気づいた生徒が顔を上げに気付くと、わずかに驚いた顔をしてを見つめた。
「おひさしぶりです、Mr.スネイプ...あ、ファーストネームで良いんでしたっけ?」
「ああ...久しぶりだな、」
「ええ...相席してもよろしいですか?」
「かまわない」
「ありがとうございます」
そっけなく返された返事に、はにっこりと笑うとセブルスの前に座って本を読み始めた。
セブルスも自分の前の席に座ったにちらりと目を向けただけで、再び自分の手元へと意識を集中させた。
が本を読み出して一時間ほど経ち2冊目の本を読み終わるころ、セブルスが小さくうなり声をあげた。
「?、セブルス、どうかしましたか?」
「...資料のページがが落丁している」
「古い本ですからねぇ...その資料見せてもらっても良いですか?」
「ああ...」
はセブルスから受け取った資料にさっと目を通すと、今セブルスが書いているレポートの内容を確認して少し待っていて下さいと言って本棚の奥へと歩いていった。
セブルスが訝しげな顔をしながら待っていると、程なくして一冊の本を手にが戻ってきた。
「そのレポート内容なら、その落丁部分よりもこちらの方が詳しく書いてありますよ」
「.........」
セブルスはその本を受け取ると、目次で必要な箇所を確認しそのページを読み始めた。
その部分を読み終わったセブルスは、感心したように頷きながらに目を向けた。
「成る程...お前がレイブンクローに組み分けされるはずだ。この本がと言うからには、この分野の他の本も読んだんだろう?」
「はい。もっとも、その分野の書籍はまだ半分ほどしか読んでませんけど...」
「半分...それでも400冊近くあったはずだ。それをこの一週間で読んだのか?」
「いいえ、夏休み中にホグワーツで授業を受けていましたから、一ヵ月半ほど図書館に通い続けました」
「...それでも普通は無理だ」
「そうですか?」
きょとんとした顔で首を傾げるに、セブルスは微妙な顔になり、後日が図書館の半分以上を読破していると知ってさらに間抜けな顔をさらすことになる。
ありがとうございました!
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