D.Gray−man (2)




「何だこいつ!人間でもアクマでもねえ!!!」

「あなただって機械でしょうに。いきなり大声で『こいつ』呼ばわりなんてずいぶん礼儀を知らない方ですねぇ。どういうプログラムを組んでいらっしゃるのか詳しくお聞きしたいものです」

自分の身長の5倍ほどもある大きな顔、門番の言葉ににっこりと笑いながら毒を吐く。

蝙蝠もどき(ゴーレムというらしい)が大量に飛び交う巨大な建物の中でこれを見ていた人たちも、の後ろから見ていた2人も、これには呆気にとられた。

第1に門番の叫んだ言葉に、第2に言い返した内容とその顔に似合わぬ毒舌に。

、機械ってどういうことさ?」

「一応、このでっかいのと似たようなものですよ。主成分(ハード)は金属ですし、中身(ソフト)を作ったのは人だという点は一緒ですね。場所によってはロボット、アンドロイド、機械人形、からくり人形なんても言われますけど」

「...まじ?」

「ええ、本当ですよ。何なら人工皮膚(かわ)を引っぺがして中身を見せましょうか?」

『引っぺがすって...』

「それってものすごく痛そうだなぁ」

「まあ、痛いですけど我慢できないほどじゃありませんから。分解されるよりはよっぽどましですし」

にっこりと笑って近くを飛んでいるゴーレムを流し見ると、その映像を見ていた何人かがうっと言葉に詰まった。

戦争をしている人たちが戦力、この場合はのようなロボットを使おうと考えるのはある程度予想できる。

だが、それがを調べられたり分解したりする理由にはならないし、させるつもりもない。

それでも一応譲歩(引っぺがすこと)したのは、ラビとブックマンへの情報料のようなものだ。

「室長、先に知らせていた通りイノセンスが体の中に入ったらしい。人ではないがどうするかね?」

「まあ、アクマでもないらしいけどな」

『う〜ん...どうしようか?』

『『『『『.........いや、どうしようかって言われても』』』』』

『アクマじゃないみたいだけど千年伯爵の仲間かもしれないし』

考え込む声を聞きながらはどこからともなく木の棒のようなものを取り出した。

「ん?木の棒なんか持って何する気さ?」

「しつけです」

にっこりと笑って言うとはひょいと木の棒を門番に向けて振った。

するとぽんと音をたてて門番の頭の上に大量の花が咲いた。

「ギャァあアァアあアアァあアアアッ!!!!?」

「「なっ!?」」

『え?そっちで何が起こったの?こっちからは見えないんだけど』

「ちょっとお花を咲かせて門の周りを華やかにしただけですよ。これ位で叫ぶなんて根性がないなあとは思いますけど」

「頭に花咲かせられて叫ばないでいられるかあぁあ!!!!」

「あ、花が増えた」

ラビが呟いた言葉とまたぽんと音を立てて咲いた花に、門番が絶叫する。

「んぎゃぁああああ!!!!!!」

「ふふふ、失礼な言葉遣いをすると花が増えますよ。逆にきちんとした言葉遣いをすれば花は取れます」

「ほ、本当だなって、ぎゃあー!!すいません!本当ですね!?」

「ええ、本当ですよ。もっとも減る量は増える量の5分の1ですけど」

「あ、ほんとだ。ちょっとだけ減ってる」

涙を流して本気で謝る門番とその様子を眺めている3人の様子を位置をかえたゴーレムが映し出す。

その様子を建物の中から見ていた科学反の面々は、これがイノセンスによるものかどうか考え込んでいた。










ありがとうございました!

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