奇妙な旅が始まった。

1人は粗末な戦士の衣服ながらも、年若く、堂々たる体躯の偉丈夫。

もう一人はその戦士の胸元あたりにやっと頭の届くような少女で、やはり身に着けているものは質素だが、そして無粋にも輝く黄金の髪をきっちりと結い上げて白い布で隠していたが、幼いながらも匂いたつような美貌である。

最後が少女よりいくらか背が高い、簡素な黒い異国風の衣服を纏った黒い髪の少年である。

3人は誰が見ても目を見張るに違いない異色の組み合わせだ。

男は馬を手放し、徒歩でロシェの街道に乗ったのだが、こんな道連れがいたのではいやでも人目を引く。

3人は少女を挟んで並んで歩きながら国境を目指していた。

そしてふと少女が国境はどうなっているのか聞いた。

柵か何かが立っているのかという疑問だったが、男は首を振った。

「パラストとデルフィニアの国境はテバ河の流れが決している」

「川が国境ですか」

「分かりやすくていいね」

「全部が全部ではないがな。平野部ではそうだ」

「じゃあ、内陸では?」

「ここからではまだ見えないが...」

男はそう言って正面を指した。

「5日も歩けば右から左を1文字に遮る山脈が現れる。タウという。中央を分断する大山脈だが、その向こうがタンガだ」

「「へぇ?」」

男は地面に簡単な地図を描いて3国の位置関係を話してやった。

「タンガとパラストはほとんどがタウによって分けられ、デルフィニアとパラストの間にはテバ河の流れがある。タンガとデルフィニアの間にはやはりタウが腕を伸ばしているのさ」

「山の向こうとこっちなのに、3つひとまとめにして呼ばれてるわけ?」

「確かに結構な距離がありそうですし...それなのに3国そろって大国と呼ばれるんですか?」

「そうさな、国力と位置を考えるとそういうことになるが、土地柄にはかなりの差があるな。パラストの国土のほとんどは平野だし、タンガは大部分が山地だからな」

「デルフィニアは?」

「山も平地も海もある」

「じゃあ3つの国のうち、1番豊かで栄えてるのがデルフィニアなんじゃない?」

「普通に考えればその通りだ」

その答えにと少女は首を傾げた。

(今は普通の状態ではないということでしょうか?自然に関係がないとすれば...やはり人為的な何かでしょうか?)

少女もと似たようなことを考えてはいたが、口にしては違うことを尋ねている。

「河が国境でも、越えるときは何か検査みたいなものがあるんじゃない?」

「無論のことだ。自国民をそう簡単に国外に出すわけにはいかんし、他国民をそう簡単に受け入れるわけにもいかん。国を出るには出国許可証が必要だし、入国の場合は生まれや名前、それに身元の保証になるような通行証を持っていなくては砦を通過できん」

「それ持ってるの?」

「いいや」

「ウォルは不法入国者だったんですね」

しみじみと呟いたに男がにやりと笑った。

「持っていたとしても、お前達の身元をどう証明したらいいやら見当がつかん」

「そう言えば、私たちも無国籍状態でしたね」

「うーん...兄弟ってことじゃだめかな?」

「かなり無理があるな」

「(証明書の)実物を知ってれば偽装できるんですけどねぇ」

少女の言葉に大真面目に答えた男は、の言葉を聞き驚いたあと苦笑を漏らす。

「何、まともに砦は向かうつもりはない。こういうことにはいくらでも抜け道があるものだ」

「そうなの?」

「そうとも」

「まあ、常にすべての場所を監視できるわけでもありませんしね」

「ああ、真正直に砦に向かったりしなければいいだけのことだ。地続きならば道を避けてこっそり入り込んでしまえばよいし、テバ河にはパラスト、デルフィニア両方の猟師が船を出しているからな。賃金をはずめば向こうへ渡してくれるさ。それが無理でも泳いで渡ってしまえばいい。お前たち、泳ぎは得意か?」

「走るほど得意じゃないけど大丈夫」

「よっぽどの急流でなければ問題なく泳げます」









  第4話   統一性のない3人









男は興味深げに真顔で頷いた2人を見つめていた。

いったいこの2人はどこから来たのか、そして何者なのかと思う。

と言うのも、2人の知識の欠落が単に中央地域外の住人だからで済まされる類のものではなかったからである。

初めて会った夜にも感じたことだが、どんな子供でもこの歳になれば自国の名と国王の名くらい知っていて当然出し、身分制度からなる社会構成も知っているはずである。

幼い子供は誰に教わらずとも、自分がどの階層にいるかは物心つくと同時に覚えるものだが、この2人は自分が農民の子なのか、貴族の子なのか、まるで自覚がないらしい。

それどころか、どっちに見える?と2人そろって真顔で訊いてくる。

「郷に入りてはなんとやらだ。それっぽく振舞うにはどういう役どころがいいのかな?」

「それは俺のほうが知りたいくらいだ」

「まあ、それっぽく振舞うにしても基本的なことを知らなすぎますから、あっという間にボロが出ちゃいますよ」

2人とも農民の子にしては姿かたちに品がありすぎるし、かと言って貴族の子にしては態度がいささか粗野すぎる(のほうが言葉遣いが丁寧だが)。

少女は腰に大剣を下げているものの、こんな歳で自由戦士のわけはないし、町家の子供と言うのは論外だ。

にいたっては中央地域にはありえない顔立ちと、旅人にしても全く物を持っていない状態ではいったい何をしている人物なのかも分からない。

2人とも考えれば考えるほど分からなくなる。

2人は男に熱心に質問をし、この旅人を通じて見知らぬ世界の情報を仕入れようとしているようだ。

男のほうも彼にとっては分かりきっていることなだけに、やや呆れ調子ではあったが一通りの話を聞かせてやった。

「中央には大華三国。北方にいくつかの王国。中央下部から南にかけては小公国と南方諸国。アベルドルン大陸全体では、はっきり分かっているだけでも12の国々がある。小さな島国や地図の及ばない未開の土地まで含めると、倍近くはあるのではないかな。そのすべてに頂点に立つ王がいる」

「ここはアベルドルン大陸というんですね」

「大陸は他にもあるの?」

「いいや、人の住む大陸はここだけだ。沿岸付近に島国がいくつか乗っているが、大陸はない」

「じゃあこの大陸を端から端まで全部歩いた人はいないわけだ?」

「とてもとても無理だな。5年かかるか10年かかるか...だいたい、人は自分の生まれ育った土地を軽々しく離れたりしないものだ」

これには2人そろって首を傾げた。

「生まれ育った土地を離れないんですか?」

「ウォルはこうして旅をしてるじゃない?」

「俺は自由戦士だからな。雇ってくれる相手がいればどこへでも行く」

「「自由戦士って?」」

「領地も主人も持たず、身分も持たない兵士のことだ。剣の腕だけで世を渡っている。要するに傭兵家業だな」

その言葉に少女の目がくるりと動き、が怪訝な顔で男を見上げる。

「ウォルが傭兵なら、あの人たちは何なんですか?」

「ああ、おかしいじゃないか。そんな一兵卒がどうしてあんなに念入りに狙われるんだ?」

「こんな仕事だからな。知らぬうちに人の恨みを買うことはいくらでもある」

「それにしてはあの連中、ならず者なんかじゃなくて、ウォルの言う主人持ちに見えたけど?」

「ええ、少なくともあの剣筋は我流ではないと思います。全員似通っていましたから...それに武器や防具も統一されていましたし」

2人の言葉に内心男はひやりとした。

この2人は常識はまったくと言っていいほど知らないが、その中身は、精神の成熟程度は相当なものだし、視点も鋭い。

「主人持ちの騎士がああやって襲い掛かってくるってことは、彼らの主人がウォルを殺せって命令したことになるじゃないか。それとも騎士って言うのは、主人の意思に関係なしに勝手に旅の戦士を襲ったりして怒られないの?」

「いや、怒られるぞ。主人にも、自分にもな」

「......?」

「自分にも...ですか?」

「ああ、騎士たるものには体面は何よりも大事なものだ。愚劣なふるまい、騎士道に背くような行いは、主人の名を汚すことにも自分の名をおとしめることにもなる」

「つまりあの騎士たちは少なくとも主人の命令に従っているということですね」

「じゃあ、その騎士たちを抱えている領主は?何の理由もなしに旅人をむやみに襲ったりして、罰せられないのか?」

「そうさな、国王の耳に入りでもしたら厳重に罰を言い渡されるだろうな。もっともその前に、自分の領民達に愛想をつかされるだろうよ」

「まあ、そう言った話は国の中枢よりも地元のほうが早く流れるでしょうしね」

「じゃあ王様同様、身分的には偉くてもあんまり好き勝手は出来ないわけだ」

「その通りだ」

男は相槌を打ったが、それは世間一般から常識と思われていることからはかなり外れている。

身分の差は動かしようもない絶対的なものだったし、権威をかさに着た騎士たち、領主達の横暴もないことではない。

そして貴族達の横暴が露見すれば国王が罰するが、国王の横暴は誰が罰するのか?

そこまで思い、男は我知らず苦い顔になった。

そんな時こそ本当なら王の身近にいる側近達の出番である...本当ならば....

「家来が結託して自分たちに都合の悪い王様を排除するなんてことはあるのかな?」

「?、どちらの場合ですか?」

少女の言葉に男はぎょっとして、思わず足が止まった。

突然立ち止まった男に2人は小首を傾げている。

「何かまずい話でしたか?」

「なんか変なこと言った?」

「いや......ない話ではない。だが、が言ったようにどちらの場合だ?家臣たちが自国の正義を守ろうとして悪に手を染めた君主を追放するのと、私腹を肥やすことに夢中になって家臣たちが正義を主張する石頭の君主を追い払うのと、2通りあるぞ」

「だいたい国の成長期には前者、安定期だと後者が増えるはずだよね?」

「ええ、私のいた所にも、いくつかそういう話が残ってますよ。成長期には力で推し進めようと戦争や外交で無茶をする国王を排斥したり、案定期には自分たちに都合のいい傀儡...この場合はほとんど分別のつかない子供を王位につけて私腹を肥やすと言う話があったはずです」

「理屈では2人の言ったようになるな」

「このパラストなんかはどうかな?大華3国って言うくらいだから、やっぱり安定期なのかな?」

「贅沢好きな王ということでしたけど...贅沢できる程度には栄えてるんですよね?」

「まあ、そうだな。国は豊かで栄えてるし、タンガとの小競り合いはあるにせよ、国が痛むような被害は(こうむ)ったことがない。国王はオーロンは豪傑でも英雄でもない王だが、煮ても焼いても食えない古狸だからな。堅固な国体を築いている」

「ふぅん」

「国王の存在が国に対して果たす役割がかなり大きい国なんですね。もっとも、それは大華三国全てに言えるんでしょうけど」

「いい王様ならその国は栄えるし、出来の悪い王様だったらまわりの家来たちが別の王様を用意するってことか」

「その家来が私腹を肥やすことに興味がない場合に限定されるでしょうけどね」

「その通りだ」

真摯な表情で頷いた男に、2人が不思議そうな顔を向けた。

「随分と実感がこもってますね」

「身につまされることがあるみたいだけど、ウォルの国の王様はどんなのだったの?」

その言葉に男は小さく笑いを漏らした。

「自由戦士に主君と仰ぐ王なぞいないさ。今の俺には国もない」

「じゃあ、僕とおんなじだ」

「それなら無国籍3人組ですね」

そう言って2人は、身よりも頼る国もないということをむしろ気楽でいいとでも言いたげに笑う。

2人とも変わっているのは物の考え方ばかりではない。

男がはじめて会ったときの戦いぶりからして信じられないものだったが、その能力はほとんど人とは思えない。

短距離とは言え馬と走り比べをして堂々と勝ってしまうのはもちろん、目も耳も異常に鋭く、飛び立った鳥をちらりと見ただけでその大きさと羽の色、くちばしの色を言い当てて、何ていう鳥?と訊くのだ。

吹けば飛びそうな華奢な体で、大の男の連れに少しも遅れもせず足を運び、丸1日歩き続けて疲れた様子も見せないと言う健脚である。

しかもその足は丈夫なばかりでなく、瞬発力も並外れたものである。

共に旅をするようになってからは、食料の調達は全て2人が引き受けた。

気配を消し、獲物の接近を待ち、短剣や石を投じる。

もしくは、(見ていた男は目を疑ったのだが)全力で逃げる獲物に追いすがり、飛び掛って倒したことさえある。

そのたびに微かな悪寒を感じながらも、男は皮肉っぽく笑って言った。

「かなうものなら、俺にもお前たちの様な足が与えられたらと思うぞ」

「それなら、僕はウォルみたいな大きな体が欲しかったな」

「2人とも無いものねだりですねぇ...あ、でもウォルも1年ぐらい頑張れば同じように走れますよ。私の足は生まれたときからこうだったのではなく、訓練によって出来たものですから」

「1年かそこらでそんな風になるなら、誰でも皆お前たちの様な健脚になっていると思うがな...しかし、これほど大きいと動くのに邪魔だぞ。小回りもきかん」

これには少女が目を見張り、ついでに笑い転げた。

も如何にこの体が小回りがきかないかということを雰囲気で醸し出している男に苦笑する。

「面白いこと言うなあ。こっちの人ってみんなウォルみたいに面白いのかな?」

「どちらかと言うと自由戦士という方達が面白いんじゃないでしょうか?まあ、ウォルの周りにも似たような性格の人たちが集まっているとも考えられますけど」

「さて、どうかな?俺はお前のいた所にどんな人間がいるのか知らんし、自由戦士全てを知っているわけではないからな。しかし、なぜそう大きな体が欲しいのだ?」

その問いに少女は困ったような顔になる。

「だって、この顔にこの体じゃ全然強そうに見えないじゃないか」

「...?分からんな。お前は実際に強いのだから、見た目などどうでも良かろうが」

「そうですよ。別に気にすることじゃないと思いますけど?」

「それはウォルがそれだけ大きくて存在感たっぷりで、も性別にあった顔をしてるから、誰にも侮られたことが無いからいえるんだ」

少し悔しそうな、うんざりしてるような、そんな顔で少女は唇を噛んだ。

「人にどう見えようと、僕は戦士なんだ。なのにこの見た目のせいで、誰もそうと思わない。ただ歳が足らなくて、顔がこんなだからって...ひどい差別だ」

それは男にとっても昔、覚えのあることだった。

体はよく充分に良く動くし、剣の扱いにも慣れていて、誰にも引けを取らずに働けるつもりでいるのに、歳が足らないと言うだけで1人前とは認めてもらえなかった遠い少年のころだ。

逆には自分の力(純粋な腕力など)を補うために、自分の華奢な体を利用する術を知っていたので、少女の言う言葉は理解しづらい。

「何も焦ることは無い。お前の剣の腕は相当なものだし、心根も正しい。今にお前の力を見せ付けて頭の固い連中に認めさせることが出来るだろうさ」

「見せたら見せたで、またいろいろ言われる」

「ああ、そういうことですか」

「どんなことを言われるんだ?」

自称気味に笑いながら言う少女の言葉に、も覚えがあったため少女の真意を悟る。

それが分からない男がと尋ねたが、2人とも答えずに首を振る。

その後も旅は順調だった。

街道を行くほかの旅人も見かけたが、彼らは男と少女と少年の3人連れに不思議そうな眼を向けていくことが多かった。

「何かおかしいかな?」

「一にはお前たちの身元がどういうものなのか、悩んでいるのではないかと思うぞ。自由戦士にしては歳が足らぬし、俺の小姓にしては見目形が良すぎる。にいたっては、この周辺の者たちと顔立ちも違うからな」

その言葉に少女はうんざりと顔をしかめ、は苦笑するしかない。

「この顔立ちが基本になってますから、流石に人種までは変えられませんしねぇ」

「やっぱりここでも髪はしまっておかなきゃならないらしい」

のほうは自覚があるらしいが、少女には恐ろしいことに自分が少女であると言う自覚が全くない。

言葉遣いも態度も、やんちゃな少年そのもので、時折髪をほぐして結いなおすのが唯一娘らしいしぐさだった。

最も少女に言わせると、その長い髪は『必需品』なのだそうだ。

少女が自分の世界から持ち込めたのは、自分自身と腰の剣と、額についた銀の輪だけだ。

もっともは本当に自分自身だけのようなものだが。

その輪を見せてもらうと、はめ込まれた緑の宝石は男もも今まで1度も見たことのないものだった。

緑柱石(りょくちゅうせき)とも翡翠(ひすい)とも違う、どこまでも深く、あくまで透き通った石だ。

少女の瞳とそっくりな宝玉が、見事な細工の浮き彫りが施してある輪にはめ込まれている。

輪の裏側にはどうやら文字らしいものがびっしり並んでいて、どこの国の言葉なのか2人には分からなかった。

「俺はこういうものにはあまり詳しくないが、かなりの値打ち物のようだな。好事家が見たら目の色を変えて欲しがるに違いないぞ」

「だめだよ。これは僕専用」

「これはどうやって手に入れたのだ?」

「友達がつくってくれたんだ。お護りにするようにって」

「ほう?」

「つくるのにかなり時間のかかりそうなものですし、素材からしてかなりのものですね。これをつくったお友達は、本当にリィのことが大切だったんですね」

男が少し目を見張る横で、は輪の細工よりもそれを作った人物に思いを馳せる。

「たいしたものだな。お前の友人は。これほどの腕前の細工師はペンタスにもそうそういないはずだぞ」

「「ペンタス?」」

「小さな都市国家だがな、文化芸術においては大陸随一の高水準を誇る国だ。当然こういう物を扱う職人も数多くいるが、そんじょそこらの細工師では足元にも近寄れないものばかりさ」

要するに、そのペンタス製よりもこの額飾りのほうが上質だと言うことである。

「自分でも良い出来だって言ってたよ」

「そうでしょうね」

「だろうな。この銀はお前の黄金の髪に実に良く映える。この石もお前の瞳をそのまま宝石にしたようなものだしな。お前の額に置くこそ、ふさわしい1品だ」

「ええ、リィにしか似合わないでしょうね」

「だから僕専用なんだよ」

少女は男の手から取り戻して元通り頭にかぶり、すばやく髪を結い上げる。

その上からまた白い布切れを巻きつけるのを見て、2人とも残念そうに言ったものだ。

「わざわざ隠すのは惜しいとは思うがな」

「せっかく私が知ってる男性の中でも1、2を争うほど綺麗な髪なのに、隠しちゃうんですか?」

「隠さないといろいろ面倒なことになるんだよ...綺麗な髪って、男の中でなんだ?」

「男の中でと言うのは置いておくにしても、俺としてはこれと1、2を争うほどの髪というのが気になるが?」

「2人とも、女性の髪に順番なんかつけたら、物凄く怒られるか、お互いに火花を飛ばしあうのを間近に見ることになっちゃうじゃないですか。私そんな度胸ありませんよ」

妙に実感を込めていったに、思わず2人は噴出した。

そして隠さないと面倒なことになると言った少女の言葉は、じきに分かることとなった。









あとがき

デルフィニア戦記第4話終了です。
まだまだ先は長いです。

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