「なあっ!おめえら、武天老師様、今どこに住んでらっさるのか知ってるだかっ!?」
「そのむてん...なんとかって要するに亀仙人のじいちゃんだろ?」
「そうだと思いますよ」
が頷いた後、悟空はブルマに話しかけた。
「だいたいどこに住んでるか分かるよなあ?」
「あ、あの海岸の沖の方だと思うけど...」
「うおお〜〜〜〜っ!えがっだーっ!城に帰れるべ っ!!」
両手を上げて喜んでいた牛魔王が、悟空の背にある如意棒に気がついた。
「んー!?お、おめえ、この棒...如意棒じゃねえべか...?」
「おっちゃんいろいろ詳しいんだな。そうだよ!オラのじいちゃんにもらったんだ」
「おめえのじっちゃんて...!!孫悟飯かっ!?」
「うん!!」
「うおほーっ!!こりゃーたまげた!!悟飯さんの孫じゃねえべかーっ!!」
「おっちゃん、じいちゃん知っとるんか!?」
「見、見ろ。あの坊主、やはり牛魔王と仲良しこよしだ...!!」
「す...すごい奴なんですね〜...」
(悟空と牛魔王さんは、今さっき知りあったばかりなんですけどねぇ)
はお互い驚いている2人をほのぼのと眺めながら、こっそりと様子をうかがっているヤムチャたちの反応を探っている。
「知っとるも何も、武天老師様の1番弟子がおめえのじっちゃんで、2番弟子がおらだったんだべ!!いや〜っ、なっつかすいな っ!!」
「それホントかーっ!!」
「本当ですよ。たまに悟飯さんが昔の修行の様子を話してくださいましたから」
「へぇ〜」
「ん?おめえも悟飯さんを知っとるだか?」
「当たりめえだ!はじいちゃんの子供だぞ!!」
「うおーっ!!悟飯さんの息子だべか!?」
「はい...もっとも、血の繋がりはありませんが」
にっこりと笑って答えると、はしゃいでいる悟空と牛魔王に、残り2人は呆気にとられていた。
「あ、あの2人が強いの分かる気がしてきた...」
「そ、それよりも、あのスケベな亀仙人が、そ、そんなにすごい人だなんて...」
「おっと、そんだ!」
はしゃいでいた牛魔王が気を取り直してポンと手を打った。
「なつかすがってばかりもいられねえ!おめえたずにちょっくら頼みがあるだ!」
「何?」
「何ですか?」
訊ねた2人に牛魔王は話し始めた。
「実はよ、最近仕入れた情報によると、武天老師様がもっとる芭蕉扇というやつを使えばよ、あの山の火を消すことができるらすいんだ。筋斗雲でひとっ飛びして芭蕉扇を借りてもらっできでくれねえべか?」
「いいよ!その換わりドラゴンボールくれる?」
「ドラゴンボール?なんだべ、それ...」
「悟空がひとつ持っているんですけれど...」
「こういうやつ。城に持ってないの?」
「あ 、そう言えば見たことあるな。おう、いいべ、いいべ!そんなんでいいならやるだ!!」
「やった!」
「ありがとうございます」
「バンザーイ!」
「ううっ、生きて帰れるっ」
喜んでいる4人から離れている場所で、ヤムチャたちがドラゴンボールの大きさが意外と小さいということに驚いていたの知っているのはだけであった。
第十四話 芭蕉扇は?
「それじゃあ、筋斗雲に乗せてくださいね」
「うん!じゃ、オラたちさっそく行ってくる!!」
「あ!!ちょっくら待った!」
「?」
「何ですか?」
筋斗雲に乗ろうとしていたを制した牛魔王に、悟空と一緒に首を傾げる。
「こんなにうめえこといくと思っでながったから、昨日おらの一人娘のチチに、武天老師様を探してきてけろって使いに出しちまっただ。途中の道にいると思うから、拾って一緒に連れて行ってけろ」
「チチ?」
「人数が増えるなら、私は筋斗雲に乗らないで待っていたほうが良さそうですね」
「ああ、んだな」
の言葉に頷いた後、牛魔王は悟空に娘のことを話し始めた。
「気はちいせえが、めんこい娘だど!おめえならヨメにしてやってもいいな!!」
「ヨメって?」
「結婚相手の女性とか、息子の妻という意味ですよ」
「ふ〜ん?」
理解はしていないが、悟空はとりあえず頷いた。
「ほれ、これが写真だ」
「あっ!!すっげえ可愛いじゃないかっ!!」
「奥さま似なんですか?」
「んだ。めんこいべ」
「そうですね」
「その子を連れていけばいいんだな?んじゃ、行ってくっぞっ!」
「はい、いってらっしゃい」
「よろしぐ頼むだ!」
見送られて出発した悟空よりも、『さっきぶっ飛ばした子じゃ...』などと言いながら、ものすごい速さで去って行ったヤムチャたちは無視しておいた。
それから悟空が戻ってくるまでの間、は牛魔王に『孫悟飯が亡くなったこと』や『パオズ山での悟飯がいたころの生活』などを話すことになった。
牛魔王も、悟飯が亡くなっていたことに悲しみながらも、昔の修行の様子などを話して聞かせた。
「あ、帰ってきましたね」
「ん?...あれがそうだが?」
「ええ」
よく目をこらさないと点にも見えないような位置にいる悟空たちに気付くと、はそれを牛魔王に伝えた。
牛魔王はかなり目が良いことに感心したようにを眺めていた。
ほどなくして、たちの前まで飛んできた筋斗雲から、悟空とともに1人の少女も降りたった。
「おかえりなさい」
「ただいま!」
「おっ父、いま帰っただ!」
「おう!チチ、芭蕉扇は借りれただか?」
「それが...芭蕉扇捨てちまってないって言われただ」
「「ええ゛っ!?」」
「な、なぬ!!芭蕉扇はながったってか!?」
「あらぁ...」
「でもさあ、亀仙人のじっちゃんが来て火を消してくれるってさ!」
そう言って悟空が空を見上げると、くるくると回りながら近づいてきているものがあった。
「ほら!来た、来た!」
「あれですか?...あれだけ回って三半規管がおかしくならないんでしょうか?」
「さん...?」
「要するに、目が回らないんでしょうか、という意味です」
そんな事を話しているうちに、亀仙人が乗る空飛ぶ亀がたちの前に降り立った。
「おおっ!武天老師様っ!お久しぶりですだっ!!」
「.............................」
無言で降り立った亀仙人は、子ガメラから降り立った後、すぐに膝をついて......嘔吐した。
「め...め...目がまわ...おえーっ...おえーっ...げげーっ...」
「「「「..................」」」」
「ほ...ほんどに大丈夫なんだべか...」
「...具合がよくなったら大丈夫ですよ...多分...」
「そう言えば、おめえは何もんだ?」
チチの不安そうな声に、が言葉を返すと、はたと気づいたチチがを見上げながら言った。
「そう言えば、自己紹介がまだでしたね。私はと言います。あなたと一緒に武天老師様のところへ行った悟空の(一応)父親です」
「そんじゃあ、未来のおっ父だべかっ!?」
「(未来の?)...あちらにいる女の子がブルマさんで、その隣の子豚がウーロン君です」
チチの言葉に疑問を持ちながらも、は残り2人も紹介した。
「おら、チチっつうだ。よろすくおねげえしますだ」
「こちらこそよろしくお願いします」
「はいっ!!」
あとがき
ドラゴンボール第十四話終了です。
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