D.Gray−man (7)





「おやようございます、ジェリーさん」

『料理長おっはよー!』

「アラん!?早いわねー2人とも!」

かなり早くに食堂へとやってきたたちの他には、ほとんど人がいない。

「いえ、実は徹夜だったんです。さっきやっと確認が終わったので」

『チモはもともと夜行性だから、ご飯食べた後は寝るよ』

「あらあら、そうなの?大変だったわねー。それで、今日は何にするのかしら?」

稲荷寿司(いなりずし)とキツネうどん!!』

「チモちゃんは相変わらず油揚げが好きなのねー」

『だってチモ、(きつね)だもん』

「そうだったわね。君は何にする?」

「そうですね...(あじ)の塩焼きって出来ますか?」

「出来るわよ」

「じゃあ、それと...ごはんとホウレン草のおひたしと、何か煮物をお願いします。あと緑茶を2人分」

「いいわよー。すぐにできるから待っててね」

「はい」

がそう頷くいて待っていると、食堂の入口に知っている人物を見つけた。

『あ、神田ぁー』

「......チッ」

「おはようございます、神田君」

『おはよー』

「............ああ」

舌打ちしたのも気にせず、にっこりと笑って神田からの挨拶を待つ2人に根負けし、短く返す。

はさらににっこりと笑って、チモを肩に乗せたまま注文口からずれる。

「あら、任務から帰ってたの神田?」

「...ああ...天ぷら蕎麦、ざるで」

「お蕎麦好きなんですか?」

「.........ああ」

『チモは油揚げ好きー!今日の朝ごはんは稲荷寿司とキツネうどんなの!』

「...そうか」

普段はそんなことに返事をしない神田だが、悪意も媚びもまったくない2人の様子に何となく返事した。

キラキラとした目で日本食(正確には油揚げ)について話すチモに、ほんの少しだけ共感したのもあるかもしれないが。

「お蕎麦と言えば、まだ引っ越し蕎麦打ってないですね」

「蕎麦打てるのか?」

「ええ、人並み程度には」

の作るお蕎麦美味しいんだよ!特にキツネ蕎麦!!』

チモの言葉に、神田が眉根を寄せる。

「蕎麦と言ったら天ぷらだろ」

『天ぷらも好き!えび天!!』

「鴨南蛮もおいしいですよね」

「お待ちどうさま!何を話してたの?」

トレーを3つ注文口から出しながら、ジェリーが聞いた。

『「お蕎麦について(です)」』

「お蕎麦?ああ、神田と出身が同じだったわね」

『うん。話してたら、お蕎麦食べたくなったから、お昼作ってね!』

「いいわよー」

神田は話している2人を置いてさっさとトレーを持って席についていた。

ジェリーと話し終えた2人もトレーを持って(が二つ持っているのだが)神田の前の席に着く。

「...おい、何でそこに座る?」

「え?...何となくだったんですけど...」

『ここダメだった?』

「...チッ...好きにしろ」

『はーい』

「ありがとうございます」

にっこりと笑って返事をすると、2人とも箸に手を伸ばして食べ始める。

「.........」

『もぐもぐもぐ...ん?なーに?』

「何でもねえ」

『そう?』

「チモ君は器用ですから?」

神田はチモが箸を持って食べている様子に疑問を持ったが、口に出してそのことを言っていないのに、からその返事が来たことを(いぶか)しがる。

「ここで最初に食事をした時、周りの人に驚かれて聞かれたんですよ。だから、そうなのかなぁと思ったんです」

「...ああ」

2人が神田の任務中に黒の教団に来ていたことを思い出し、納得した。

その後は、特に話をすることなく食事が進む。

食事も終わり、それぞれお茶に手を伸ばした時、3人を呼ぶ声が聞こえた。

「神田!!チモ!10分後に司令室に来てくれ。任務だ」

「分かった」

「分かりました」

『はーい』

各々が返事をした時、ふと神田が気づいた。

「お前、イノセンスの使い方分かったのか?」

「ええ、昨夜ヘブラスカさんに確認してもらいました」

『いつもみたいに戦ってる時は、オーラにイノセンスが含まれてるんだって』

「オーラ?」

「『気』と言った方が分かりやすいですか?」

「気功のことか?」

「似たようなものです。治療より攻撃に特化していますが」

『そう言えばこの間、コムイがの服を作るって言ってたよね?』

「ええ、チモくんのも作ると言ってましてから、楽しみですねー」

『ねー』

笑って話す2人に、神田は緊張感や自覚がないのかと思った。

だが、『いつも戦っている』という言葉から、戦いには慣れているらしいことは確認できた。

「...行くぞ」

『はーい』

「ええ、行きましょうか」

3人はトレーを片づけ、司令室へと向かった。














ありがとうございました!


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